- 一括受電の3つのデメリット
- 「やめたい」と思ったときの現実
- 買う前に一括受電かどうかを見分ける方法
- すでに住んでいる場合にできること
こんにちは。中古マンションを買ってフルスケルトンリノベし、5年暮らしているトルテです。
マンションを選ぶとき、価格・立地・広さは誰でも確認します。では、そのマンションの電気の契約がどうなっているかは確認しているでしょうか。
実は、マンション全体でまとめて電力会社と契約している物件があります。これを「一括受電」といいます。
トルテ先に結論です。
一括受電の最大の問題は、「入ったあとでやめるのが、現実的にとても難しい」こと。 解約には住民全員の同意が必要だからです。
つまり——大事なのは、買う前に見分けること。この記事では確認方法まで書きます。
そもそも一括受電とは?通常の契約との違い


通常のマンションでは、各戸がそれぞれ好きな電力会社と契約できます。2016年4月の電力自由化以降、家庭でも電力会社を自由に選べるようになりました。
一方の一括受電は、マンション全体(共用部+各戸)で1社とまとめて契約する方式です。管理組合が導入を決議して切り替えるケースが多く、各戸が個別に電力会社を変えることはできません。
メリットは「電気代が安くなること」
一括受電のメリットは、基本的にこの1点です。まとめて高圧で受電することで単価を下げ、共用部の電気代を圧縮し、専有部の電気代も割安になるという仕組みです。
管理組合にとっては共用部のコストが下がるので、導入の判断としては合理的な面もあります。
一括受電の割引率は、導入前の一般的な料金プランと比べた場合の話であることが多いです。
電力自由化後は各社が多様なプランを出しているので、自由に選べていれば、もっと安いプランに出会えた可能性もあります。「一括受電だから必ずお得」とは言い切れません。
※電気料金は燃料費調整額や再エネ賦課金の影響を受け、時期によって大きく変動します。具体的な比較は、必ず最新の料金で行ってください。
一括受電の3つのデメリット


① 契約期間が長く、途中でやめにくい
一括受電は長期契約が一般的です。中途解約すると違約金が発生することもあります。
10年という期間で考えると、電気をめぐる事情はかなり変わります。実際、2016年の自由化前後で選択肢はまったく変わりました。それなのに乗り換えの判断ができない、というのは小さくない制約です。
② 売却・賃貸のときに説明義務がある
一括受電を導入している物件を売ったり貸したりするときは、重要事項としてその旨を説明することになります。
買主・借主のなかには「電力会社を選べないのは嫌だ」と感じる人もいます。必ず不利になるとは言えませんが、選ばれにくくなる要素がひとつ増えるのは確かです。


③ やめるには住民全員の同意が必要
これが一番大きいです。
建物全体で1つの契約なので、解約するには全戸の同意が必要になります。1戸でも反対すれば動かせません。
各家庭で事情も考え方も違いますし、賃貸に出ている住戸や、連絡が取りにくい所有者もいます。戸数が多いマンションほど、合意形成の難易度は跳ね上がります。



「一括受電なんてやめればいい」と思うかもしれません。私も最初はそう思いました。
でもやめる手続きのハードルが、想像よりずっと高いんです。だからこそ「入る前に知っておく」ことに価値があります。
買う前に、一括受電かどうかを見分ける4つの方法
ここが実務としていちばん役に立つところです。


① 仲介会社に直接聞く【いちばん早い】
「この物件、電気は一括受電ですか?」
この一言で終わります。内見のときでも、物件資料をもらった段階でも構いません。遠慮する必要はまったくない質問です。
② 重要事項説明書を確認する
導入されていれば、重要事項説明で触れられます。ただしこれは契約直前のタイミングなので、判断材料としては遅い。①で先に聞いておくべき理由がここにあります。
③ 管理規約・総会議事録を見る
一括受電の導入は管理組合の決議を経ていることが多いので、総会議事録に経緯や契約期間が残っていることがあります。中古物件では管理関係の書類を確認できる場合が多いので、あわせて見ておくと安心です。
④ 検針票・請求元を確認する
内見時などに検針票を見られるなら、請求元が電力会社ではなく管理会社や別の事業者名になっていないかを確認します。ここが違えば一括受電の可能性があります。
一括受電を聞くと、管理組合がどういう判断をしてきたマンションなのかも少し見えてきます。
中古マンションは建物そのものより「管理」で差がつくと言われます。電気の契約は、その管理を覗く窓のひとつでもあります。


すでに一括受電マンションに住んでいる場合
「調べたら一括受電だった」「もうやめたい」という方へ。正直に、現実的な話を書きます。
個人だけで抜けることはできません
繰り返しになりますが、契約は建物全体です。自分の住戸だけ別の電力会社に切り替える、ということは基本的にできません。
道があるとすれば、管理組合の総会
やめる方向に動かすなら、管理組合の議題に上げるところからになります。契約期間・違約金の条件・現在の料金水準を管理会社に確認したうえで、住民に説明する材料を揃える必要があります。
かなりの労力がかかることは覚悟してください。そして冒頭に書いたとおり、全戸の同意というハードルは高いです。
現実的な落としどころは「使用量を減らす」
契約先を変えられないなら、使う量のほうを減らすしかありません。こちらは自分の判断だけで実行できます。
我が家も一括受電ではないものの、電力会社を自由に選びやすい状況ではありませんでした。なので「契約で下げる」より「使い方で下げる」に振ってきました。実際の電気代と、効いた工夫はこちらにまとめています。





身も蓋もない話ですが、「契約を変える労力」と「下がる金額」を天秤にかけるのが現実的だと思います。
総会を動かすのは本当に大変です。それに見合うかどうかは、いま実際にいくら払っているかを確認してから判断してください。
それでも、物件選びの優先順位は変わりません
最後に、大事なことを書いておきます。
一括受電だからという理由だけで、いい物件を捨てる必要はありません。
実は我が家が購入したマンションも、電力会社を自由に選びづらい事例に該当してしまいました。それでも購入を決めましたし、5年住んで後悔はしていません。普通に電気は使えますし、暮らしに支障はないからです。
中古マンションで本当に優先すべきなのは、立地・管理状態・価格・広さ。ここは動かしようがありません。
伝えたいのは「一括受電を避けろ」ではなく、「知ったうえで選んでほしい」ということです。
引き渡し後に気づくと、選択肢がありません。申し込み前の一言で防げる話なので、確認だけはしておいてください。




よくある質問
- 一括受電のマンションでも、リノベーションはできますか?
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できます。一括受電は電力の「契約」の話で、専有部の工事とは別問題です。ただし大規模な電気容量の変更をする場合は、管理組合や受電事業者への確認が必要になることがあるので、リノベ会社に相談してください。
- 電気の容量(アンペア)は変更できますか?
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一括受電では、変更の手続きが通常と異なる場合があります。IHやエコキュートの導入で容量を上げたいときは、事前に管理会社・受電事業者に確認してください。ここはリノベの計画に直結するので早めに。
- 賃貸マンションでも一括受電はありますか?
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あります。分譲・賃貸を問わず導入されている物件はあります。賃貸の場合は入居前に管理会社へ確認するのが確実です。
- 一括受電をやめた事例はありますか?
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全戸の同意が取れれば解約は可能ですが、現実には合意形成の難しさから実現しにくいとされています。契約条件は物件ごとに違うので、まずは管理会社に現在の契約内容を確認するところから始めてください。
- 太陽光や蓄電池は導入できますか?
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マンションの専有部では、そもそも設置場所の制約が大きく、管理規約の確認が必須です。一括受電の有無に関わらず、まず管理組合に相談してください。
まとめ


- メリットは電気代。ただし最安とは限らない。自由化後のプランと比べる必要がある
- 一度入ると、やめるのが難しい。解約には住民全員の同意が要る
- 売却・賃貸で説明義務がある。「選べない」を気にする買主もいる
- 申し込み前に仲介会社へ一言聞く。これがいちばん早くて確実
- ただし優先順位は立地・管理・価格。一括受電だけで物件を捨てる必要はない
中古マンションは、買ったあとで変えられるものと、変えられないものがはっきり分かれます。内装は変えられますが、立地・管理・そして電気の契約形態は、自分ひとりでは変えられません。
だからこそ、変えられないものは買う前に確認する。一括受電の話は、そのわかりやすい一例だと思っています。




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