- リノベ会社は4タイプあり、中古マンションのフルリノベに向くのはどれか
- 会社を選ぶときに見るべき7つの基準(優先度つき)
- やめたほうがいい会社の4つのサイン
- 実際に3〜4社を回って決めた、比較の進め方
リノベーション会社選びは、リノベの成否をほぼ決めます。
大げさに聞こえるかもしれませんが、私はそう思っています。理由は単純で、フルリノベは「決めること」が異常に多いからです。設備、設備のグレード、壁紙の色とデザイン、床の色、コンセントの位置——。それを何か月も一緒に走ってくれる相手が、合わない人だったら。想像するだけで苦しいですよね。
私たち夫婦は、築約12年・84㎡の中古マンションを買ってフルスケルトンリノベーションをしました。その際、3〜4社と実際に打ち合わせまで進んで、最終的に1社に決めています。
トルテ住んで5年経った今、後悔がほとんどありません。その理由は、センスでも運でもなく「会社選びに時間をかけたから」だと思っています。その経験を全部書きます。
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なぜ、そこまで比較にこだわるのか
先に、この記事の根っこにある考えを書かせてください。
家やマンションを買うというのは、人生でいちばん大きな買い物です。その大きな買い物を、納得しないまま進めるなんて、私にはあり得ませんでした。
金額が大きいから慎重に、という話ではありません。むしろ逆で、金額の大小よりも「納得感」のほうがずっと大切だと思っています。きちんと知って、理解して、最後は自分たちで判断する。この過程を飛ばした買い物は、あとで必ず「あのとき、もっと考えればよかった」に変わります。
リノベ会社選びで比較をおすすめするのも、突き詰めればここに行き着きます。比較とは、値段を見比べる作業ではなく、自分が納得して決めるための材料集めです。この感覚だけは、これから会社を選ぶあなたにも、ぜひ大切にしてほしいと思っています。
まず結論:優先度が高いのは3つだけ
7つの基準を後で詳しく説明しますが、先に結論をお伝えします。最初に確認すべきはこの3つです。
- 通える距離にあるか(打ち合わせに何度も足を運びます)
- 担当者との相性(最終的にここで決まります)
- デメリットも話してくれるか(「できません」を言える会社は信用できます)
残りの4つは、この3つをクリアした会社の中で比べるものです。逆に言えば、この3つが合わない会社は、他がどれだけ良くても続きません。
リノベ会社は大きく4タイプある
まず、自分がどのタイプの会社を探すべきかを決めましょう。ここを間違えると、比較そのものが噛み合いません。


① ワンストップ型(物件探しから施工まで一括)
物件探し、住宅ローン、設計、施工までを1社でまとめて対応してくれるタイプです。リノベる。、ひかリノベ、ゼロリノベなどがここに入ります。
中古マンションを買ってフルリノベするなら、まずこのタイプから見るのが近道です。理由は、物件選びとリノベ計画が切り離せないからです。
「この物件、希望の間取りにできますか?」という質問に、その場で答えてくれる。この価値は想像以上に大きいです。中古マンションは構造・配管・管理規約によって、できることが大きく変わります。物件を買った後に「その間取りは無理です」と言われるのが、最悪のパターンです。
② 設計事務所
デザインに特化し、施工は提携の工務店に発注するタイプです。デザインへのこだわりが強い人には向きます。ただし物件探しは基本的に自分で行う必要があり、設計料が別途かかります。
③ 工務店・施工会社
施工が本業です。設計力は会社によって差が大きく、当たり外れがあります。間取りがすでに決まっていて、コストを抑えたい場合には有力な選択肢です。
④ 大手リフォーム会社
全国展開していて安心感があります。一方で、価格は高めの傾向です。保証やブランドを重視する人向けです。
初めての中古リノベなら、まずワンストップ型を2〜3社見るところから始めてください。そこで相場観と自分の希望が固まってから、他タイプを検討しても遅くありません。
リノベ会社選び 7つの基準


基準1|対応エリアと、通える距離か【最重要】
これは実体験からの、いちばん現実的なアドバイスです。
私たちが検討した会社の中に、「ここも良さそうだな」と思いながら候補から外した会社があります。理由はオフィスの立地が悪く、往復に時間がかかりすぎたからでした。



フルリノベの打ち合わせは、1回や2回では終わりません。何度も足を運びます。往復に2時間かかる会社と、30分の会社。同じ熱量で通い続けられるのは、どちらでしょうか。
移動が負担になると、打ち合わせの回数を減らそうとします。すると、決めきれないまま話が進みます。立地は「利便性」の問題ではなく、打ち合わせの質そのものに直結します。
もちろん、リノベる。のように全国対応でショールームが各地にある会社なら、この問題は起きにくいです。まずは自分の生活圏から通えるかを確認してください。
基準2|担当者との相性【最重要】
結論から言うと、私たちが最終的に1社を選んだ決め手は「人」でした。
費用でもプランでもありません。話をしていて感じが良かった。考え方に賛同できた。それだけです。
逆に、雑誌やWebでは良さそうだと思っていたのに、その場で候補から外した会社もあります。参加した相談会で、担当者の印象が悪かったからです。Webサイトの雰囲気と、実際に出てくる人はまったく別物でした。
「なんとなく話しづらい」「質問しにくい」という感覚は、これから何か月も続く関係の予告編です。契約後に改善することはまずありません。
最初の面談で違和感があったら、その時点で候補から外して問題ありません。
私たちの打ち合わせは、楽しくてつい長時間になってしまうほどでした。担当者の方には申し訳なかったかもしれませんが、あれだけ話し込めたからこそ、細部まで納得して決められたのだと思っています。
基準3|得意なデザインの方向性
会社ごとに「得意な絵」があります。ナチュラル系が得意な会社、インダストリアル系が得意な会社、ホテルライクが得意な会社。
施工事例を10件くらい見て、好みと一致するかを確認してください。1〜2件では判断できません。たまたま好みの事例が1件あっただけ、ということがあります。
私たちは躯体現し+白塗装、無垢床にダークウォールナット塗装という、やや無骨な方向を希望していました。この方向性を得意とする会社かどうかは、事例を並べるとはっきり分かります。
基準4|費用の見せ方が明朗か
ここは「安いかどうか」ではなく「分かりやすいかどうか」で見てください。
確認すべきポイントは3つです。
- 定額プラン制か、都度見積か
- どこまでが含まれ、どこからが追加か
- 予備費の説明があるか
私たちが選んだ会社は定額プラン制で、予算の管理がプラン内で完結していました。これは「予算オーバーが構造的に起きにくい」という意味で、精神的にとても楽でした。
一方で、都度見積の会社が悪いわけではありません。大事なのは、どちらであっても説明が明確であることです。


基準5|建設業許可・瑕疵保険の有無
ここは制度の話なので、押さえておくと安心です。
建設業許可は、請負金額が500万円以上(税込・材料費込)の工事を請け負う場合に必要になります。500万円未満の「軽微な工事」は許可なしでも請け負えますが、フルリノベは確実に500万円を超えるので、許可を持っているかは確認しておきましょう。
リフォーム瑕疵(かし)保険も重要です。工事後に施工箇所の不備が見つかった場合に保険金が支払われる仕組みで、事業者が倒産していた場合には発注者に直接支払われます。
また、国土交通省の「住宅リフォーム事業者団体登録制度」に登録された団体に加盟している事業者は、一定額以上の工事で瑕疵保険への加入が求められます(発注者が書面で不要の意思表示をした場合を除く)。会社選びの目安のひとつになります。
「御社は建設業許可をお持ちですか?」
「リフォーム瑕疵保険には加入できますか?」
この2つは、遠慮なく聞いていい質問です。まっとうな会社なら、むしろ即答できることを喜びます。答えを渋る会社は、その反応自体が判断材料になります。
基準6|保証とアフターの内容
引き渡し後に何年間、何を見てくれるのかを確認してください。
会社によって、設備機器の保証、工事の保証、定期点検の有無と頻度、24時間対応の窓口があるかなど、内容はかなり違います。
正直なところ、私たちの場合は5年間、リノベ工事に起因する不具合は出ていません。ただ、これは運の要素もあります。何かあったときに「どこに連絡すればいいか分かる」状態であることの安心感は、契約時に思っている以上に大きいです。
基準7|デメリットも話してくれるか【最重要】
これが、私が最も重視してほしい基準です。
いい会社は、「それはできません」「それをやると、こういう不便が出ます」とはっきり言います。
フルリノベでは、希望のすべてが実現できるわけではありません。マンションの構造上できないこと、予算的に厳しいこと、住み心地とトレードオフになること。それらを事前に共有してくれる相手でなければ、住んでから「聞いていない」が発生します。
逆に、何を言っても「できますよ」「大丈夫です」しか返ってこない会社は危険です。判断材料を渡してくれていないからです。


やめたほうがいい会社の4つのサイン


① 契約を急がせる
「今日決めていただければ値引きします」「このキャンペーンは今週まで」。
こういう言い方をする会社は、あなたから比較検討の時間を奪おうとしています。数百万〜千万円単位の買い物で、今日決めなければならない理由は存在しません。
② デメリットを話さない
基準7の裏返しです。良いことしか言わない会社とは、契約後の難しい局面を一緒に乗り切れません。
③ 見積の内訳が粗い
「内装工事 一式」「設備工事 一式」だけの見積書は要注意です。
何にいくらかかっているのかが分からないと、削るべきところも判断できません。私たちが予算オーバーしたとき、キッチンのグレードを下げ、造作家具の一部をDIYに変えて調整できたのは、内訳が見えていたからです。
④ 質問の回答が遅い・曖昧
契約前の対応速度は、その会社の平常運転です。契約後はもっと遅くなります。
実際の進め方(比較の順番)


STEP 1|資料請求(3社前後)
まず資料を並べます。無料ですし、この段階で営業される義務もありません。
比較は3社前後で十分です。多すぎると疲れて判断が雑になります。私たちも最終的に打ち合わせまで進んだのは3〜4社でした。
リノベ会社は「相性」が命。まず無料で複数社を比較しましょう(資料請求・相談はすべて無料)。
STEP 2|セミナー・相談会に参加する
会社の「考え方」がいちばん分かるのが、セミナーや相談会です。
資金計画の説明の仕方、物件選びの基準、無理をさせない姿勢があるかどうか。ここで各社のスタンスの違いがはっきり見えます。
STEP 3|打ち合わせで“人”を見る
ここで半分は絞られます。私たちも、この段階で複数社を候補から外しました。
見るべきは、質問への答え方です。分からないことを「確認します」と言えるか。できないことを「できない」と言えるか。あなたの要望を、そのまま受け取るのではなく整理し直してくれるか。
STEP 4|1社に決めて物件探しへ
相性の合う会社が見つかれば、そこからは速いです。物件探しも、リノベ前提の目線で一緒に見てくれます。
資料請求も、セミナーも、初回の相談も、費用はかかりません。ここに時間をかけるほど、後悔は減ります。逆にここを省略して1社で決めるのが、いちばんリスクが高い進め方です。
「1社だけ見て決める」が一番危ない理由
比較しない最大の問題は、判断の基準を持てないことです。
1社しか知らなければ、その会社の見積が高いのか安いのかも、担当者の対応が丁寧なのか普通なのかも分かりません。「比較して初めて、この人となら決めきれるという感覚が分かる」——これが、3〜4社を回った私の実感です。
もし私たちが最初に訪問した1社で決めていたら、住んでからの後悔はもっと増えていたはずです。
そして何より、比較しないと「自分で判断した」という納得感が持てません。言われるままに決めた家と、いくつも見比べて自分たちで選び取った家では、住んでからの気持ちがまるで違います。人生でいちばん大きな買い物だからこそ、その納得感は手放してほしくないのです。


各社の特徴を個別に知りたい方へ
私が調べた/実際に依頼した会社について、個別に記事にまとめています。






よくある質問
- 何社くらい比較すればいいですか?
-
3社前後が現実的です。私たちは3〜4社と打ち合わせまで進みました。多すぎると比較疲れを起こし、かえって判断が雑になります。
- 資料請求すると、しつこく営業されませんか?
-
私が経験した範囲では、しつこい営業はありませんでした。むしろ検討段階で自社が合わないと分かれば、無理に勧めてこない会社のほうが多い印象です。合わないと感じたら、その旨を伝えて問題ありません。
- 会社を決めるのと、物件を買うのはどちらが先ですか?
-
ワンストップ型なら会社が先をおすすめします。中古マンションは構造や管理規約によってできる工事が変わるため、物件を買った後に「その間取りは無理」と判明するのが最悪のパターンです。
- 建設業許可がない会社は避けるべきですか?
-
フルリノベは請負金額が500万円以上(税込)になるため、その規模の工事を請け負うには建設業許可が必要です。フルリノベを依頼するなら、許可の有無は確認しておきましょう。
- 担当者が合わない場合、変更してもらえますか?
-
会社によっては対応してくれます。ただし、言い出しにくさも含めて考えると、最初から相性の合う会社を選ぶほうが健全です。だからこそ比較が大事だと考えています。
- 定額プラン制と都度見積、どちらがいいですか?
-
どちらにも良さがあります。定額制は予算管理が楽で、都度見積は自由度が高い。大事なのは形式ではなく、説明が明確かどうかです。
まとめ


- まず会社タイプを絞る。中古マンション+フルリノベならワンストップ型から
- 比較は3社前後で十分。多すぎると判断が雑になります
- 通える距離かを最初に確認。立地は打ち合わせの質に直結します
- 最後は担当者との相性。私たちの決め手も「人」でした
- 急がせる会社・デメリットを話さない会社は候補から外す
リノベで後悔を減らす一番の近道は、難しい知識を身につけることではありませんでした。複数の会社に会って、相性を確かめることです。
そしてその先にあるのは、「自分たちで、納得して決めた」という感覚です。家は人生でいちばん大きな買い物。金額の大小より、きちんと知って、理解して、自分で判断したという納得感のほうが、ずっと長く効いてきます。その一手間を惜しまなかったことを、私は5年経った今も後悔していません。
資料請求は無料です。まずは2〜3社を並べてみるところから始めてみてください。
リノベ・住まい探し、何から始める?
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参考・出典
- 建設業許可が必要となる工事の範囲(軽微な建設工事の基準)
- 住宅リフォーム事業者団体登録制度/リフォーム瑕疵保険(国土交通省)
制度の詳細や最新の運用は、国土交通省および各保険法人の公式情報をご確認ください。


