- 夫婦で住宅ローンを組む4つの方法と、その決定的な違い
- 我が家がペアローンを選んだ理由(いちばんの決め手は1つでした)
- 契約前に説明を聞いて、ドキッとした話
- 本当に確認すべきだったのは、そこではなかったという話
- 契約前にやっておいてよかった、たった1つのこと
- 5年経って思う、手続きの手間と、思わぬ副産物
こんにちは。中古マンションを買ってフルスケルトンリノベし、5年暮らしているトルテです。
我が家は、夫婦でペアローンを組んでいます。
5年経ちましたが、選んでよかったと思っています。
ただ——契約する前に、一度だけドキッとしたことがありました。
トルテ担当者からペアローンのデメリットの説明を受けたとき、正直、少し身構えました。
離婚する人も多いご時世です。「そのときはどうなるんだろう」と、頭をよぎりました。
でも、いま振り返ると——そこは、いちばん大事な論点ではありませんでした。
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結論:ペアローンで確認すべきなのは、離婚より「団信」です
先に結論を書きます。
ペアローンの説明で必ず出てくるのは「離婚したときにもめる」という話です。
事実ですし、大事な話でもあります。でも——
契約前に、いちばん具体的に確認しておくべきだったのは、「片方に万一のことがあったとき、残された側の返済はどうなるか」でした。
理由は単純です。
ペアローンは、契約が2本あります。 夫の分と、妻の分。それぞれ別のローンです。
そして、団体信用生命保険(団信)で完済されるのは、亡くなった本人の債務だけです。


つまり、こうなります。
- 亡くなった側のローン → 団信で完済され、ゼロになります
- 残された側のローン → そのまま残ります
収入は1人分に減るのに、返済は残る。
これは、単独で組んだ場合とはまったく違う状態です。単独ローンなら、契約者に万一のことがあれば住宅ローンは全額消えます。



「2人とも団信に入るから安心」と思っていました。
入るのは事実です。でも、効くのは自分の債務にだけなんですよね。ここを最初に理解できていませんでした。
離婚の話が「起きるかどうか分からない未来の話」なのに対して、こちらは制度としてそう決まっている、確定した仕様です。だから、先に確認すべきだったと思っています。
後ほど、この点について契約前にやっておいてよかったことを書きます。
そもそも、夫婦で住宅ローンを組む方法は4つあります
ペアローンの話をする前に、選択肢の整理をしておきます。
私は最初、「夫婦で組む=ペアローン」だと思っていました。違いました。


① 単独
どちらか1人が借ります。 いちばんシンプルです。
住宅ローン控除も団信も、借りた本人の分だけ。配偶者は契約に登場しません。
② 連帯保証型
契約は1本。 1人が借りて、配偶者が連帯保証人になります。
ここが重要なのですが——連帯保証人は、住宅ローン控除の対象になりません。団信にも加入できません。
「保証はする(=返済義務は負う)けれど、メリットは受け取れない」という形です。
③ 連帯債務型
契約は1本。 1人が主債務者、もう1人が連帯債務者として、同じ返済義務を負います。
住宅ローン控除は、2人とも受けられます。 団信については、連帯債務者も加入できる商品と、できない商品があります(フラット35の「デュエット」のように、夫婦連生で加入できる仕組みもあります)。
④ ペアローン
契約が2本。 夫婦がそれぞれ借り、お互いの連帯保証人になります。
住宅ローン控除は2人分。団信もそれぞれ加入します。
その代わり、契約が2本あるので、事務手数料などの諸費用も2本分かかります。
ここに書いた4分類は、一般的な説明です。
同じ名前でも取り扱いが違ったり、そもそも呼び方が違ったりします。 特に「連帯債務型で団信に入れるかどうか」は商品ごとに異なるので、必ず契約する金融機関の商品説明書で確認してください。
我が家がペアローンを選んだ理由


正直に言うと、決め手は1つでした。
① 住宅ローン控除を、2人分受けられる
これが最大の理由です。
住宅ローン控除は借りた人ごとに適用されるので、単独で組めば1人分、ペアローンなら2人分になります。
我が家は共働きで、2人とも所得税を納めています。であれば、2人分使えるほうが素直でした。
控除の要件・上限額は、住宅の種類や入居年によって変わります。 我が家が組んだ時期の条件がいまも同じとは限らないので、必ず最新の要件を国税庁のサイトで確認してください。 リフォーム・リノベ関連の減税については別記事にまとめています。


② 借入の枠を、2人の収入で考えられる
1人分の収入を前提にするより、2人分のほうが選択肢は広がります。
ただし——これはメリットであると同時に、リスクでもあります。 2人で返す前提の金額を借りる、ということだからです。この点は後半でもう一度触れます。


③ 団信に、それぞれ加入できる
どちらにも保障が付きます。連帯保証型では、保証人側は団信に入れません。
ただし前述のとおり、効くのは自分の債務にだけです。
金利タイプは、夫婦でそろえました
ペアローンは契約が2本あるので、理屈のうえでは「夫は変動、妻は固定」といった組み方もできます(金融機関によります)。
我が家は同じ金利タイプでそろえました。 理由は単純で、管理が複雑になるのが嫌だったからです。
2本を別々の条件にすると、繰り上げ返済も借り換えも、そのつど「どっちを?」という判断が発生します。5年運用してみて、そろえておいてよかったと思っています。




このブログでは、借入額・金利・年収・金融機関名を公開していません。
隠したいというより、書いても読者の役に立たないからです。
我が家の借入額は、我が家の収入と物件価格と、当時の審査結果で決まった数字です。それを見て「うちも大丈夫」と思う根拠にはなりません。
代わりに、判断の手順と、確認しておくべきポイントを書くようにしています。
契約前、ちょっとドキッとした話
ここで、冒頭の話に戻ります。
担当者から、ペアローンのデメリットとして「離婚したときに問題が起きやすい」という説明を受けました。



離婚する人も多いご時世なので、聞いたときはちょっとドキッとしました。
もちろん、離婚するつもりで買うわけではありません。それでも、「万一のときに面倒なことになる」と言われると、身構えます。
なぜ問題になりやすいのか、整理しておきます。
| 起きること | 理由 |
|---|---|
| 家を売っても終わらないことがある | 売却額でローンを返しきれない場合、残債の負担をどう分けるかを決める必要があります |
| どちらかが住み続ける場合が難しい | ローンは2本のまま。出ていった側も債務者であり続けます |
| 名義の整理が簡単ではない | 共有名義の持分と、2本のローンの両方を清算する必要があります |
| 相手の返済状況の影響を受ける | お互いが連帯保証人なので、片方が滞れば無関係ではいられません |
要するに、離婚しても金銭的なつながりが残り続けるということです。
離婚時のローンと不動産の扱いは、個別の事情で結論が変わります。
このブログで「こうすればいい」と書ける内容ではありません。該当する状況にある方は、弁護士や司法書士などの専門家に相談してください。
でも、本当に確認すべきなのは、そっちではありませんでした
ドキッとはしましたが、冷静に考えると、離婚の話には2つの性質があります。
- 起きるかどうかが分からない(少なくとも、契約時点では想定していません)
- 起きたときは、ペアローンかどうかに関係なく大変(共有名義の家がある時点で、単独ローンでももめます)
一方で、団信の話は違います。
離婚:起きるかどうか分からない/起きたら話し合いと専門家で対処する
片方に万一のこと:起きたときの結果が制度として確定している/契約前にしか対策できない
「契約前にしか対策できない」というのが、決定的です。
団信は住宅ローンとセットの保険なので、契約したあとから「やっぱり2人分カバーしてほしい」とは言えません。 生命保険で別途補うか、そもそもの組み方を変えるか——その判断は、契約前にしかできません。
2024年から「ペアローン連生団信」という選択肢も出てきました
これは、私が契約したときにはなかった仕組みです。
ペアローン連生団信は、どちらか一方に万一のことがあった場合に、2本分のローンが完済されるタイプの団信です。2024年6月ごろから、取り扱う金融機関が出てきました。



私は使っていません。 契約当時、この選択肢はありませんでした。
なので「良い・悪い」は言えません。ただ、いま契約する人には確認する価値がある選択肢だと思います。
注意点も書いておきます。
- すべての金融機関が扱っているわけではありません
- 上乗せ金利がかかる商品が一般的です(保障が厚くなる分、コストも増えます)
- 保障の範囲や条件は商品ごとに違います
「取り扱いがあるか」「上乗せ金利はいくらか」は、必ず商品説明書と金融機関に直接確認してください。 ここは、比較の材料になります。
やっておいてよかった、たった1つのこと
さて、ここがこの記事でいちばん書きたかったことです。
我が家は契約前に、FP(ファイナンシャルプランナー)にひとつだけ、お願いしたことがあります。


「片方がいなくなった前提で、生活費のシミュレーションをしてください」
縁起でもない話です。実際、頼むときは少し気が引けました。
でも、やってよかったです。
何を見てもらったか
| 確認したこと | なぜ必要か |
|---|---|
| 残された側の収入で、返済を続けられるか | 団信で消えるのは片方だけなので、ここが出発点になります |
| 遺族年金や、既存の保険でどこまで埋まるか | 「足りない額」が分からないと、対策の規模が決まりません |
| 子どもの教育費が重なる時期はどうか | 返済と教育費のピークが重なる年が、いちばん厳しくなります |
| 足りないなら、生命保険で補うのか | 保険料も家計の固定費なので、返済とセットで考える必要があります |
なぜ、これをやると落ち着くのか
不安の正体が「分からないこと」だからです。
「もし片方に何かあったら大変だ」——これは、頭の中にあるうちは大きさが分かりません。 だから怖い。
数字にすると、大きさが分かります。
我が家の場合は、試算してみて「これなら大丈夫そうだ」と分かったので、そこでペアローンに踏み切れました。



逆に言うと、試算していなかったら決められなかったと思います。
「なんとなく大丈夫だろう」で数千万円の契約をするのは、いま思うと怖い話です。
FPには、どうやって頼んだか
我が家は、リノベ会社(ゼロリノベ)にFPを無料で紹介してもらいました。
保険を売られることもなく、住宅購入に絞った相談ができました。
もちろん、紹介されたFPが常にベストとは限りません。 提携先には提携先の事情があります。提案された内容は、必ず自分でも検算してください。 ただ、「まず一度、数字にしてもらう」という目的なら十分でした。


単独ローンでも、連帯債務でも、同じです。
「収入が減ったとき、この返済を続けられるか」を数字にしておく。それだけで、借入額の決め方が変わります。
ペアローンの場合は、それが2パターン必要(夫がいなくなった場合/妻がいなくなった場合)というだけの話です。
手続きは、たしかに2倍でした
実務の話も書いておきます。
ペアローンは契約が2本あるので、書類も2人分そろえます。
- 本人確認書類 → 2人分
- 収入を証明する書類 → 2人分
- 申込書・契約書 → 2人分
- 事務手数料などの諸費用 → 2本分



手間は2倍とも言えます。
ただ、正直なところ——負担には感じませんでした。
同じ種類の書類を、同じタイミングで、2人分用意するだけです。
「まったく違う作業が2つ増える」わけではありません。
思っていなかった副産物
これは、事前には予想していなかったことです。
一緒に購入するという気持ちを、お互いに持てたこと。
これが良かったと思っています。
2人で書類をそろえて、2人で審査を待って、2人で契約する。その過程そのものが、「一緒に買った家だ」という感覚をつくってくれました。
どちらかが借りて、どちらかが保証人、という形だったら、たぶん少し違ったと思います。
これはお金の話ではないので、比較表には載りません。 でも、5年住んでみて、ちゃんと残っている感覚です。
ちなみに我が家は、この過程で住宅ローンの審査に落ちています。 そのときの話は別記事に書きました。
あわせて読みたい 住宅ローンの審査に落ちました|理由は教えてもらえない。それでも家は買えた話 住宅ローンの審査に落ちました。しかも本命だった、いちばん条件の良い銀行の本審査で。理由は最後まで教えてもらえませんでした。それでも中古マンションを買えています。落ちてから通るまでに何をしたか、事前審査と本審査の違い、ローン特約で契約がどうなるかまで、実体験で正直に書きました。
ペアローンを検討するなら、契約前に確認しておきたいこと
我が家の経験から、契約前に確認しておくとよかったと思うことをまとめます。
どちらのパターンも。数字にしてから借入額を決めます。
「2人とも入れる」と「2人分がカバーされる」は違います。
あるなら、上乗せ金利がいくらかまで確認します。
事務手数料・印紙代などが2倍になります。
分けるなら、管理が複雑になることを納得したうえで。
返済額は減りません。前提が変わったときの話を、契約前に。
そして、もう1つ。
借入の条件は、契約前にしか選べません
これは審査に落ちた経験から、強く思うことです。
1つの金融機関だけを見て決めると、比較対象がありません。 金利も、団信の内容も、手数料も、金融機関によって違います。
契約したあとで「あっちのほうが良かった」と気づいても、借り換えには手数料と手間がかかります。
自分の条件だと、どこでいくら借りられるのか
金利タイプを決める前に、いま自分がどんな条件で借りられるかを知っておくと判断がぶれません。同じ変動金利でも、金融機関によって条件は変わります。
- 年収や希望額を入れると、条件に合う住宅ローンを比較できる
- 複数の銀行をまとめて確認できる
- 変動と固定で返済額がどう違うかを自分の数字で見られる
利用は無料です。まずは条件を見るだけでも構いません。
これは広告です。 リンク経由で利用があった場合、私に報酬が入ります。
そのうえで、書けないことを先に書いておきます。
- 比較サービスを使えば審査に通る、ということはありません。 審査の可否を決めるのは金融機関です
- ペアローンの取り扱いや、連生団信の有無まで比較で分かるとは限りません。 そこは個別に確認が必要です
できるのは、「契約前に、複数の条件を並べて見ておく」ところまでです。それでも、1つしか見ずに決めるよりはいいと思っています。
よくある質問
- 夫婦で金利タイプを変えることはできますか?
-
契約が2本なので、理屈のうえでは可能です(金融機関の取り扱いによります)。「片方を固定にしてリスクを分散する」という考え方もあります。
ただし、繰り上げ返済や借り換えのたびに判断が2つに増えます。 我が家はそろえました。どちらが正解ということはありません。 - 途中で1本にまとめられますか?
-
借り換えによって1本化できる場合があります。 ただし、まとめる側の収入だけで審査を通す必要があるため、必ずできるとは限りません。
借り換えには手数料もかかります。「あとでまとめればいい」を前提に組むのは、おすすめしません。 - 産休・育休で収入が減ったら、返済はどうなりますか?
-
返済額は契約どおりで、自動的には減りません。 ペアローンは2人の収入を前提にした組み方なので、ここは事前に想定しておく必要があります。
返済が難しくなりそうな場合は、滞納する前に金融機関へ相談してください。 条件変更に応じてもらえる場合があります。 - 住宅ローン控除は、本当に2人とも受けられますか?
-
ペアローンは、それぞれが債務者なので2人とも対象になります(各自の要件を満たす場合)。連帯債務型も2人分です。
連帯保証型は、保証人側が対象になりません。 ここが4つの方法でいちばん差が出るところです。要件は改正されるので、必ず国税庁の最新情報で確認してください。 - ペアローン連生団信は、どこで扱っていますか?
-
取り扱いは金融機関によって異なり、増えている途中の商品です。 特定の金融機関名をここに書くと、すぐ古くなってしまいます。
候補にしている金融機関に直接「ペアローンの連生団信はありますか」と聞くのが確実です。 上乗せ金利の有無もあわせて確認してください。 - 結局、ペアローンと単独、どちらがいいのでしょうか?
-
これは断定できません。 2人とも所得税を納めているか、今後の働き方をどう考えているか、必要な借入額はいくらか——世帯によって答えが変わります。
この記事で伝えたいのは「ペアローンにすべき」ではなく、「選ぶ前に、片方がいなくなった前提で試算しておいてほしい」ということです。
まとめ:ペアローンで組んで5年、思うこと


最後に、5年経ったいまの実感をまとめます。
- 最大のメリットは、住宅ローン控除が2人分。 これが我が家の決め手でした
- 団信で消えるのは、亡くなった本人の債務だけ。 ここがいちばん見落とされます
- 確認すべきは、離婚より「もしも」。 契約前にしか対策できないほうを先に
- 数字にすると、不安は小さくなる。 FPに試算してもらってよかった
- 手続きは2倍。でも負担ではなかった
- 一緒に買った、という実感が残る。 これは思っていなかった効果でした



選んでよかったと思っています。
ただしそれは、確認すべきことを確認したうえでの話です。
「共働きだからペアローン」と流れで決めていたら、たぶんいまも不安を抱えたままだったと思います。
契約前に一度だけ、「片方がいなくなったら、この家に住み続けられるか」を数字にしてみてください。
そこで大丈夫だと分かれば、それがいちばんの安心材料になります。
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参考にした情報
本文中の制度の説明は、以下を参照して書いています。制度は改正されるため、実際の判断は必ず最新の一次情報でご確認ください。
住宅ローン控除について
- 国税庁|No.1210 マイホームの取得等と所得税の税額控除
- 国税庁|No.1211-3 中古住宅を取得し、令和4年以降に居住の用に供した場合(中古マンションを買う場合はこちら)
ペアローン・連帯債務・連帯保証の違いについて
団信・ペアローンで片方に万一のことがあった場合について
フラット35の夫婦連生団信について
金融機関ごとの取り扱い(連生団信の有無、上乗せ金利など)は、各金融機関の商品説明書でご確認ください。


